第2話　「チーズ」

いろんな表情を見せるようになった湯音が可愛い。

フランスパンにコーヒーにチーズとパリの朝食ってシンプル。

チーズの洗礼。まず臭いにやられた湯音。乳製品を食べなかった頃の日本人にはあの臭いはきついかも。自分もチーズは嫌いじゃないけど、あまり臭いのキツイものは苦手です。
コーヒーもチーズも明らかに口に合わないのに一生懸命おいしいと言う湯音。涙目になってまで頑張る湯音が可愛い。
食べ切れなかった分はお持ち帰り。意を決して挑戦してみるもやはり口に合わず・・・

湯音はクロードの仕事を食い入るように見つめる。隣りでジッと見つめられたらやりにくいでしょうねｗ

一息ついたクロードは湯音を外に連れ出す。日本とは違う町並みに驚き、感動し、何を見ても楽しそうな湯音ですが、グラン・マガザン（百貨店）の前で明らかに機嫌が悪くなるクロード。
小さなギャルリ（商店街）からしてみれば大手の百貨店は商売敵というところでしょうか？

不機嫌なクロードを察して言葉が出ない湯音。その様子に気付いたクロードは湯音をマルシェ（市場）に連れて行く。
マルシェでクロードを質問攻めにする湯音を見て、何もかも珍しいのだろうと思ったのでしょうね。

ベーコンを半分に減らしたのを見て咄嗟にクロードのお財布事情に気付いたようです。
湯音はオルゴール弾きに興味を示しますが、それはチップを払わなければならない行為。こういう感覚は日本人には難しいかも。
これで湯音はクロードに奉公人を雇うほどの余裕が無いことを確信したようです。
ショウウィンドウの品物の値段を見て足早に去ってしまう。

その割にじいさんは日本に買い付けに行く資金があったり、ちょっと金銭的バランスが分かりません。

焼き立てパンはホカホカですごくおいしい。コーヒーはカフェオレにし、湯音の口にも合うように気遣う。
苦手ならチーズは無理をして食べなくてもいい。まずいと言っていい。スプーンにしてもそうだし、無理にあわせる必要は無い。クロードの気遣い。

湯音はクロードやオスカーがおいしいと言って食べるものを自分もおいしいと思うようになりたいと思った。
そうしなければ彼らにおいしい食事を作ることが出来ないから。

食べ物の恨みじゃないけど、下手をしたらケンカにだって発展しかねない食文化の違い。
だけどその壁も互いの気遣いで歩み寄れる。食べ物の好みを変えていくのは大変だけど、それでも相手を理解したいという気持ちが伝わってくる。

湯音はただマルシェをもの珍しくて楽しんでいたわけではなく、フランス人の食文化を理解しようとしていたんですね。

互いを知ろうとするステキな異文化コミュニケーション。

今回もほっこりした気分にさせてくれるあったかいお話でした。