【本】 『箱舟の行方』 シギサワ カヤ を読みました

『箱舟の行方』 シギサワ カヤ (ジェッツコミックス/白泉社刊)

背徳的なテーマを扱った作品が多い漫画家さんです。

読了後のなんとも言えない喪失感と酩酊感。

妻子持ちの男と寿退社直前の女。

駆け引き。
それはその先、恋愛に発展させるためのものではなく、互いが離れないように仕掛けた罠。

それと同時に社会的モラルからそこは踏み込んではならない領域だとストップをかけようとする・・・

大人の男女のほうが縛られるものが多い分、恋愛に対して不器用なのかも。

相手の気持ちを図れないもどかしさや、自分の中から溢れる気持ちは抑えられず、二人は関係を持つ・・・

相手の気持ちに気づいて、気づかない振りをして、自分の気持ちにも蓋をしようとする。

それでも抗えない感情に流され、深みへはまっていく。

そうやって溺れていく感情が丁寧に描かれています。

テーマは重めですが、そこに至るまでの会話のテンポが良くて重くなりすぎない。
だから重さよりも切なさが残るような気がします。

今作は人に勧められて読んだのですが、当たりでした。
スポンサーサイト